港区にある魅力的な美術館には、茶の湯との意外な繋がりがあります。
南青山にある根津美術館は「鉄道王」として知られる実業家・政治家の初代根津嘉一郎の美術コレクションを収蔵するためにつくられ、今では国宝7点を含む7,420点を収蔵しています。
その根津嘉一郎は、青山と号した茶人だったのです。
多くの茶道具や古美術を収集し、その収集ぶりは豪快で「根津の鰐口(ねづのわにぐち)」と例えられたそうです。
実業家の畠山一清が開館した畠山記念館は白金台にあり、茶道具を中心に東洋の古美術品を展示・公開しています。
畠山もまた即翁と号した茶人で、三井物産創業者でこれまた茶人の益田孝(号は鈍翁)に見込まれて茶の湯を嗜む様になったといいます。
同じく白金台にある東京都庭園美術館には、武者小路千家の茶人である中川砂村(号は是足庵)が設計し、料亭吉兆・なだ万も手がけた平田雅哉が施工した茶室「光華」があり、本館とともに国の重要文化財に指定されています。
近代実業家には茶人が多く、当時の日本は茶会を通じて動いていたようですね。
港区の茶の湯と、茶道具買取実績
港区虎ノ門のとある高層マンションに、表千家に属してらっしゃる50代の女性からのご依頼でお伺いをさせて頂いたことがあります。
仙台から引っ越してこられて茶道をおやめになるということで、お持ちの茶道具を整理するための買取のご依頼でした。
大切にされてこられたお茶道具のなかから家元の箱書きがある逸品を数点拝見させて頂き、10点のうち評価額の高かった3点をお買い取りさせて頂きました。
そのうちの1点は、時代七宝の鉢を水指に仕立てたもので、即中斎(そくちゅうさい)宗匠の箱書きもあってとても状態の良い品物でした。
こちらには20万円の評価を付けさせて頂き、3点の買取金額は合計で約40万円になりました。
大切にされてこられた茶道具を手放すのは、使わなくなっているとはいえとても名残惜しいことです。
ゆっくりと時間をかけ思い出を振り返りながら、しっかりとその価値を判断できるわたしたちアート熊野堂にぜひお任せ下さい。
他社との相見積もりでも結構です。
お問い合わせをお待ちしております。